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かぜの時に飲ませる薬に注意

[2021年03月15日]

鼻汁の症状があると、よく処方されるお薬にペリアクチン(シプロヘプタジン塩酸塩水和物)があります。これはヒスタミンH1受容体拮抗薬第一世代にあたるものです。いわゆる抗ヒスタミン薬と言われるものです。抗ヒスタミン薬はアレルギー性鼻炎、蕁麻疹などの時に使用します。

抗ヒスタミン薬の第一世代、第二世代とは何か?第一世代と第二世代の大きな違いは脳内移行のしやすさにあります。脳内移行すると何故いけないか?ヒスタミンはアレルギーを起こす悪い反応だけではなく、普段の脳内活動に必要だからです。(詳しい説明はインターネットで検索できるのでご興味がある方は調べてみて下さい。)抗ヒスタミン薬はヒスタミンをブロックするので一般的な副作用として眠気が出ます。これは脳内のヒスタミンを抑制してしまうことによって起こります。大人の方でも花粉症の薬で実感されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ただ、それだけではなく小さなお子様の場合、けいれん誘発の閾値を下げます。つまり、けいれんが起こりやすくなる傾向があります。第一世代の方が脳内移行が多く、副作用が出やすい傾向があります。

お子様の中には熱が出たときに熱性けいれんを起こされる方がいらっしゃいます。熱性痙攣を起こさないためにも、乳幼児には少なくとも発熱時にペリアクチンなどの第一世代の抗ヒスタミン薬は飲まない様にご説明させて頂いています。

ちなみに当クリニックではペリアクチンの処方は現在しておりませんし、風邪の鼻汁に対して抗ヒスタミン薬の処方はしていません

もちろん処方してはいけない薬というわけではありません。使用についてはかかりつけの先生とご相談下さい。

参考 第一世代抗ヒスタミン薬 ポララミン、アタラックス、アリメジン、ビレチア、ヒベルナ、アレルギン、タベジール(クレ・ママレット、テルギンGなど)、ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩など

抗ヒスタミン薬の副作用には個人差があります。第二世代の抗ヒスタミン薬は一般的には眠気などの副作用は出来にくいのですが、人によっては眠気が出てしまうことがあります。医療機関で処方する比較的新しく発売された薬は眠気が出にくいので心配な方はご相談下さい。

また、アセトアミノフェンを1日3回(朝昼晩)と決まった時間に発熱の程度に関係なく飲ませる方法は昔流行った方法ですが、今は症状経過を分からなくしてしまう危険性があるためあまりお勧めされませんし、かぜを長引かせてしまう事になると言われています。

市販の風邪薬は抗ヒスタミン薬と解熱剤がセットで含まれているものがほとんどです